本日、日本銀行は政策金利を0.75%から1.0%に引き上げることを決定しました。1995年以来、実に31年ぶりの水準です。
「じゃあ固定金利に切り替えればいいんじゃないの?」って、そう思った方もいるかもしれません。ところが話はそう単純ではありません。今回はその実情をFPの視点から率直にお伝えします。
変動金利だけでなく、固定金利も上がっている
今回の日銀の利上げは「短期金利」の引き上げです。変動金利はこの短期金利に連動するため、近いうちに各金融機関が変動金利を引き上げるとみられています。一方、固定金利は「長期金利(10年物国債の利回り)」に連動します。長期金利は2025年末の2.066%から2026年5月末には2.657%へと、わずか半年で大きく上昇しています。
その結果、フラット35の金利は2026年4月の2.39%から6月には3.21%へと、わずか2ヶ月で0.82ポイントも上昇しています。 つまり今の状況は「変動が怖いから固定へ」と簡単に言えない、変動も固定も同時に上がるという非常に難しい局面なのです。
5000万円近い借入では、金利の差が家計に直撃する
私がご相談をお受けする方の多くは、物件価格が5000万円前後です。資材の高騰と人件費の上昇が続く今の住宅市場では、これは決して高すぎる価格ではありません。ごく普通の新築一戸建てやマンションの水準です。
ただ借入金額が大きくなるほど、金利の違いが総返済額に与える影響は甚大です。たとえば4500万円を35年で借りた場合、金利1.0%(変動)と3.21%(フラット35)では、月々の返済額だけで約4万円以上の差が生まれます。35年間の総返済額では1,500万円以上の開きになります。「安心のために固定に切り替える」という判断が、長期的には家計を大きく圧迫するリスクもあるのです。
では今、何をすべきか
「変動のままで大丈夫か」「固定に切り替えるべきか」——この問いに対して、今の金利環境では「どちらが正解」とは一概に言えません。正直に申し上げると、それが今の実情です。
ただFPとして申し上げられることがあります。まず自分のローンの現状を正確に把握することです。残債・金利・残年数・月々の返済額——これらをきちんと整理できていない方が意外と多くいます。
その上で考えるべき選択肢は大きく3つです。
①変動を継続しながら繰り上げ返済の余力を作る:金利上昇に備えて元本を着実に減らす戦略です。
②一部固定・一部変動の組み合わせ:リスクを分散しながら、固定の安心感も確保する方法です。
③借り換えの費用対効果を試算する:借り換えには諸費用がかかります。現在の金利水準では損益分岐点を慎重に計算する必要があります。
「なんとなく不安」で終わらせないために
変動も固定も上がり続ける今の環境は、ローンを抱えるすべての家庭にとって他人事ではありません。特に借入金額が大きいほど、判断を誤った場合のダメージも大きくなります。
「うちのローン、このままで本当に大丈夫?」と思ったら、ぜひ一度具体的な数字で確認してみてください。金利タイプの選択や借り換えの判断は、ご家庭の収入・資産・ライフプランによって最適解が異なります。個別のご相談はいつでも承ります。
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